呑み込む

読了。

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

10年ぶりに読んだことになるけれど、思ったことが違った。


本を読んでいるだけなのに、戦でもなく生と死が混合する世界が眼前に広がった気がした。
全てを強くも優しくも呑み込むガンジス河が温かく思えた。


インドの話だけじゃなくて、登場人物一人一人に込められた物語も考えさせられるものがあった。
特に妻に先立たれた平凡な男の話は、平凡な俺に響くものがあった。



「人生と生活は違う」という言葉。
資本主義をベースにした「生活」を当たり前に繰り返していると気づかないものだ。
価値観も生きがいも、資本主義がベースになってる。
きっと99%の男はそんなもんだと思う。


もちろん、俺もそうだ。
今更そうじゃないなんて認められないところまで来ちゃっている。
望んだのか望んでないのか、よく分からないけれど。