恨みはその連鎖しかうまぬ
というが、恨まずにはいられない時もある。
もし節度ある方なら、そんなときは恨み倒すことをお薦めしたい。
その方の恨みは、一定程度を境に感情の中の割合を減らしていくだろう。何故ならそこには、「恥」や「(恨んだことへの)罪」という相殺的感情が生まれ、割合を高めていくからだ。
裏を返せば、一部の感情に支配されないことこそ、『節度』のマナーだと言えるのではないか。そんな気がした。
というわけで、どうせブレーキがかかるので、まず思ったらそのまま進もう。フラストレーションためこむよりよっぽどマシだ。
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/20
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 84回
- この商品を含むブログ (159件) を見る
アフリカやアジアの山奥の民族の食にまつわるストーリーも趣深かったが、一番印象に残ったのはドイツの話だった。
ネオナチとトルコのケバブ店で働くガストアルバイターの争い。白人の争いや恨み、怒りが、見えないところで見えない行為によって昇華され、誰かが人しれず傷ついていく様が、ものすごく怖かった。
しかし俺は、どうしようもない人間だな