輝く!忘れんぼ大将!

小さい頃よく忘れ物をしていた。
あと聞いてもすぐ忘れてた。
小学生のときは、よく教科書を隣の人に借りたり、
校長先生の話も聞かずにふにゃふにゃしてたもんです。
それで怒られるもんだから、自己防衛策として道化を覚え始めた。



それがとある型にはまってからというもの、忘れ物がなくなったり、エラい人の話を聞き逃したりすることがなくなったりした。




俺は明らかに後天性の努力型人間だ。
本来は忘れぽい人なのだ。
お利口キャラを板につけたい時だけ忘れにくくなる。




そんな本質が災いしてか、ある時から忘れ物をしている感覚がずっと頭にも身体にもこびりついている。



例えば一日の終わり。
明日の準備をしてもしてもし尽くせないで呆けてしまうことがある。明日何があるわけでもなくても、だ。




この感覚、例えるなら始まらないハンカチ落とし。
落としても誰も気づかないからゲームが始まらない。
遊び心で落としたはずが、誰も拾って追いかけてくれない。




落としてふざけて逃げて走って、ぐるぐる回る。
拾うこともできずに。
最後は、落としたことすら忘れてしまうのかもしれない。