ほらほら、歯なんて磨いてないで男を磨きなさい!

そんなことすると、虫歯になりますので気をつけてください(笑


パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)


淡白な男女のやりとりが心地よく感じた作品でした。
タイトルの通り、日比谷公園を舞台にした話なのですが、以下のフレーズが心に残りました。



『公園は何かするということが不釣り合いな場所。何もしない人が自然に溶け込める場所。』


いいね。
恥ずかしながら、日常忙しいと感覚が麻痺して、
なにもない時間の過ごし方が分からなくなってしまいます。
(本当にそれを理由に気分が沈んでいくことがある。)


何もしないことが肯定される雰囲気の場所って、意外に少ない。
公園っていいな。
明日チャリでどっかいこうっと。



さて、この小説を読んでてもう一つ考えさせられたのは、人と人との距離感のこと。
この話の中では、名前も知らない男女が日比谷公園で出会い、つかず離れずの会話が何度も何度も繰り返されていきます。



人と人って、関係を保つためのちょうどよい距離感があるのですね。
この話の2人だって、もしかしたら名前を知ってしまったら、一歩近づいたことで関係が途切れたのかもしれない。
名前も知らない距離感がちょうどよかったから、何度も会えたのかもしれない。会うことを欲したのかもしれない。



別に男女関係に限らないけれど、いい出会いをしたら関係は保ちたいもの。
保ちたいって思えたら、心地よい距離感を見つける作業をする努力も必要なのかもしれないですね。