恍惚感だけが何時でも何度でも力を与えてくれていた

そうだ。
私といふものは、いつも恍惚感を求めていた。
光が見えないときも、影が忍び寄る時も、最後には恍惚感が全てを満たしてくれていた。

過去を上から見下ろすことのできる境地を常に求め続けていた。
這い上がるその感覚が快感だった。


這い上がれなかったことなんてない。
その積み重ねが私を強くもしたが、同時に弱くもしていた。


また恍惚感とともに這い上がることは、
また私を弱くすることに繋がってしまうのだろうか。


そんなことはないと昨日の自分が言う。
その通りだと明日の自分が言う。


明日の自分が言うことが変わった時は明白な答えが出るだろう。
明日の自分が言うことが変わらない時、その時は何が待ってるんだろう。