8回走行確認〜狐狸庵先生を訪ねて43km


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狐狸庵先生を訪ねて来ました。
横浜市内をセンター北〜新横浜〜三ツ沢〜関内〜石川町とひたすら南下。


途中で昔原付で高速道路に突っ込みそうになったポイントに再び遭遇するも、人力二輪だったのが幸いしギリギリ交わす。笑



元町を通って港が見える丘公園へ。
外人墓地やイタリア庭園の周りを自転車で巡るのもなかなか味がある。



でも今回は遠藤周作展がメイン。
港が見える丘公園に隣接している神奈川県近代文学館へ。
こんなところにチャリで来る猛者はいないらしく、駐輪場がない。適当に止めたらおっさんに呼び止められて、事務所内に止めさせてくれた。あんた、粋だね!




遠藤周作を初めて読んだのは高校の時だ。
当時の担任だった広末好きな国語の先生に恐れ多くもオススメの本はないかと聞き、教えてくれたのが、『深い川』だったのだ。

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)



聖なる川を舞台に、生と死が同時に描かれる様は当時の私に何かしらの衝撃を与えたことを覚えております。



骸の流れる川のほとりでバラモンが取り仕切る結婚式。
まさに生と死が当たり前のように同時にある。
高貴と貧困も共にある。
その情景は何度浮かべても違和感を感じずにはいられない。


視覚と知覚があまりにも乖離しすぎる、そんな光景を浮かべると、ナイフで引き裂きながら絆創膏を貼る作業にも似た矛盾の痛みを覚えて止まなかったものだ(嘘。脚色してます。そんな感性豊かな高校生じゃありませんでした。)。



その後大学、社会人と、思えば狐狸庵先生は精神的成長を遂げるその時傍にいてくださった方のように思える。



『侍』は確か、一人で石巻を巡ったときにたまたま見つけた何かで支倉常長のことを知り読んだ。社会人になる前で、その果てない旅路に見えない将来(明るいほう)を重ね、数奇な運命に、そっちはそっちで見えない未来(暗い方)を重ねたものだ。

侍 (新潮文庫)

侍 (新潮文庫)



『海と毒薬』は確か、肌に合わない社会人生活でドス黒い感情が渦巻く心境にシンクロした(どうしようもないくらい落ちる時はとことんドス黒くなることでカタルシスを得ることもあるのだ)。

海と毒薬 (講談社文庫)

海と毒薬 (講談社文庫)




そして数々のエッセイ集は、最近与えられた逆境を乗り越える力を与えてくれた。

眠れぬ夜に読む本 (光文社文庫)

眠れぬ夜に読む本 (光文社文庫)





今日は生い立ちとかその生涯とか、初めて知ったこともあったけれど、より一層魅力を感じた。もっともっと知りたい。




さてさて、帰り道20kmは例によって足元なんてフラフラになったわけですが、久々に聞いたdaft punkが物凄い力を与えてくれました。



いつ聞いても恍惚感を得ることができる音楽というのも、色褪せない魅力。
帰ってきてからこんな動画を見たけれど、鳥肌モノ。